2022年3月1日 会場レポート(前半)

コロナ問題が一進一退を繰り返すなか、店舗空間や各種施設のあり方、また提供するサービスの手法にも、新しいニーズが求められている。より安全、安心な環境を整備し、さらには顧客がそこで働く人が快適な時間を過ごすためには、どのようなコンテンツが必要なのか。JAPAN SHOP の会場から、気になる情報を紹介する。

ニューノーマル対応の店舗対策を紹介!

「省エネ」「省人」にフォーカスした事業開発に積極的に取り組むアイリスオーヤマは、飲食業界で負担の多い配膳や運搬を支援するロボット〈サーヴィ〉〈キーンボット〉を紹介、それぞれに30kg、40kgの荷物の運搬が可能。200度の視界をセンサーで確認しながら安全に走行し、免震構造で器の揺れを最小限に留める。

アイリスオーヤマ製品

左から〈キーンボット〉と〈サーヴィ〉。右にあるのは自動運転クリーナー。

ダイキン工業グループの日本無機は、1959年にHEPAフィルタの開発に成功して以来、製薬・医療の現場の抗菌、換気システムへの技術提供をおこなってきた。しかし、コロナの影響から、医療の現場のみならず、いまやオフィス、店舗、公共施設など、多種多様な場所で空気清浄のニーズが高まっている。そこで従来よりも薄型で移動可能な室内型空気清浄機〈ヘパウォール〉を開発。厚生労働省が推奨する1時間に2回以上の換気ができない施設でも、十分な相当換気量が得られるというメリットも。1台で20畳ほどの空気清浄が可能だ。

ダイキン工業グループ製品

空気清浄の様子を可視化するために、ある程度のサイズ感を維持。
レストラン、宿泊施設などに合わせてブラックも新登場!

フマキラー製品

外気導入による換気が一般的になるなかで、食品工場や飲食施設で懸念されるのが「異物混入」だろう。殺虫剤などの衛生薬品の製造販売を行うフマキラーでは、虫の侵入を防ぐための業務用不快害虫駆除器〈ウルトラベープ PRO〉を開発。窓やドアなどの軒下に器具を固定し、連続して無煙・無臭の薬剤を半径3mに噴霧。開口部周りに忌避エリアをつくることで、建物内への虫の侵入を防ぐ。エアカーテン方式(黒いモデル)ならば、風の影響を受けることなく、防虫効果を維持することができる。カートリッジは2ヶ月間の連続使用が可能だ。

ウルトラベープ PRO

エアカーテン式の〈ウルトラベープ PRO〉。

木漏れ日の光シャワーなど新しい商空間を彩る製品が集結!

JCD

空間デザインの文化的価値と、専門デザイナーの存在意義を追求するJCD。活動の一環に、450名のデザイナーが選ぶ〈JCD PRODUCT OF THE YEAR〉がある。JAPAN SHOP の会場では、エントリー作品からグランプリ、準グランプリを発表、展示。グランプリは、ワイ・エス・エムが手がけた本型のLED照明〈NIGHT BOOK〉。ケースから中身を引き出すと電源がONになり、空間を印象的に照らしてくれる。準グランプリは、パナソニック株式会社ライフソリューションズ社の〈BioSHADOW〉と四国化成の〈クレアデコール〉の2作。〈BioSHADOW〉は、木漏れ日や水面などを光で演出するダウンライト型プロジェククター。〈クレアデコール〉は、印象的な下げを可能にした厚塗りの壁仕上げ。共に、光の陰影によって、空間を豊かに彩る新鮮な提案だ。

NIGHT BOOK

ほのかな光を放つ〈NIGHT BOOK〉。

BioSHADOW

光の演出を壁・床面に投影する〈BioSHADOW〉。

クレアデコール

豊かなテクスチャーを表現した〈クレアデコール〉。

テキスト:猪飼尚司

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