2019年3月6日 会場レポート
照明メーカー・関連企業と、建築・設計関連、デザイナー、小売業など照明ユーザー層が会する国内最大級のあかりの総合展。今回のテーマは「コレカライト あかりがつながる あしたが変わる」として従来の照明関連ゾーンに加えて、照明としての光源という枠を超え、「光」と「音響」「画像・映像」などを組み合わせた空間演出に関する製品・サービス・ソリューション・デジタル技術を中心とした「光で『つながる』空間演出ゾーン」を新設。企業展示に加え、開催記念セミナーでは日本照明工業会より、照明業界の新たな成長戦略を示す「Lighting Vision 2030」を初公開。
実際に展示会場を巡ったレポーターが、製品を体験したり、説明を聞いたりしたブースを紹介する。
【コイズミ照明】
照明器具メーカーのコイズミ照明が提案するのは、光をデザインしたオフィスが実現する、独自の「働き方改革」。ブースのエントランスは、マグネットで容易に着脱でき、デザイン性の高いスリムなライトが飾る。
先端までムラなく発光する「Solid Seamless Line System」は、シンプルな直線状のデザインのため、どんな空間にもマッチする。
照明の色温度を自然光と連動してコントロールするソリューションも提供。業務に集中したい時間帯はフラットな色、リラックスタイムは温かい色など、理想のオフィス環境を作り出す。
コイズミ照明の事業所に導入したところ、残業時間が従来の 17%、CO2 排出量が一般オフィスと比べて 55%の削減効果を発揮。コイズミ照明は、光によって働き方を変えられることを提示する。
【パナソニック】
総合電機メーカーのパナソニックは、オフィスや店舗、住宅向けまで、多彩な照明器具を展示。メインとなるのは、オフィスの集中作業スペースと、オープンコミュニケーションスペースのモデルルームだ。「五感に響く次世代の空間設計」をコンセプトに、照明コントロールによって人間の創造力を底上げする部屋を提案している。
オフィスの集中作業スペースは、落ち着いた配色の部屋に集中力を高める色・明るさの光が施されている。
オープンコミュニケーションスペースは、四季をイメージした照明色や映像を壁に照射することでリラックス効果を促進する。
その他、色を巧みにコントロールして空間や風景をダイナミックに演出するカラーLED 投光器など、パナソニックの技術を活かした多彩な商品が展示されている。
【三菱電機照明】
2019 年に事業 70 周年を迎える三菱電機照明は、「MILIE+(ミライエプラス)」をテーマにした新たな提案を、これまでの歩みとともに展示。さらにオフィス空間に加えて、各種製造工場や倉庫など、過酷な環境に耐えられる照明器具も展示されている。
ブースのエントランスを彩る 7 段の光の階段は、70 周年をイメージしたもの。
地下など窓のない空間でも、まるで自然光が差し込んでいるような「青空照明」。空の色を日中の青から、夕焼けの赤までも、再現してくれる。
また、竹中工務店と共同開発中というペンダントライトは、それぞれ独立して制御できる 2 器の照明を上下に搭載。下部は通常の照明として、上部は天井を照らす間接照明として使うことができるそう。このように、70 年の後に続く新たな照明のあり方を提案している。
【シグニファイジャパン】
2019 年 1 月にフィリップスライティングから社名変更した Signify(シグニファイ)は、フィリップスブランドに加えて新たな照明の IoT プラットフォーム「Interact(インタラクト)」を発表した。
スタジアムに見立てたという Signify ブース。コーポレートカラーのグリーンに照らす照明は、「Interact」によりアプリで簡単に色とりどりの演出ができる。
「Interact(インタラクト)」で制御するスタジアム用のライトも展示。隣にはまるでディスプレイのような形をした演出用の照明が設置されており、空間を演出する。
映像に反応して多彩な色で空間を照らす「Philips Hue(ヒュー)」は、映画やライブ、ゲームを大迫力で楽しませてくれる。
オフィス向けソリューションの「LiFi(ライファイ)」は、LED 照明でインターネット通信を提供する技術。ネットワークに接続された LED の光を専用の USB ドングルで受光し、通信を行う。Wi-Fi の 1 万倍に相当する通信速度だという。
照明と通信を融合した Signify の新技術に注目だ。
【サンケイディライト】
サンケイディライトは、福岡に拠点を置く LED イルミネーションの総合商社。今回がライティング・フェア初出展となる。LED イルミネーションの販売から展示の企画デザイン、施工、保守まで手がけている。
今回展示しているのは、LED ファニチャー「クラシオン」シリーズ。LED イルミネーションを内蔵した半透明樹脂製の家具だ。リモコン操作で色とりどりの光を放つ。
充電タイプの「クラシオン」はナイトプールの演出アイテムとして注目され、近年需要が高まっているそう。特に関東圏からの注文が多く、それが福岡からの出展を決めた理由。
自社の LED イルミネーションを安心して使ってもらえるよう、業界でも長いとされる 2 年間の長期保証を設定。長年 LED イルミネーションを取り扱ってきた、サンケイディライトの自信の表れと言える。
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